OBOGインタビュー<藤田卓也さん> | 京都学生祭典

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OBOGインタビュー<藤田卓也さん>

2021/9/24(金)OTHER

今回は、第3回〜第5回で実行委員を務めた藤田卓也(ふじたく)さんにインタビューしました!

 

実行委員1:最初に、出身大学と祭典時代のあだ名を教えてください。

 

藤田さん:京都大学出身で、当時のあだ名は今と変わっていないんですが、“ふじたく”って呼ばれていました。

 

実行委員1:当時の祭典では、どうやってあだ名を付けられたんですか?

 

藤田さん:第3回では、所属や名前、どの部署希望かなどを書くシートがあったんです。その一番下の欄に「みんなになんて呼んで欲しいですか」という質問の欄があって。そこに本名が藤田卓也だったので略して“ふじたく”かなって書いたのが一番発端だった気がします。

 

実行委員1:みんなで決めないんですね。

 

藤田さん:自分で決めたり、特に何でもいいですって言ったりとか、企画運営部に入った人は企画運営部の副部長があだ名を決めてくれたりとかはありましたけど、大きくはみんな「私は普段こう呼ばれてます」っていうのがそのままあだ名になっていましたね。

 

実行委員1:祭典に入ったきっかけについて教えてください。

 

藤田さん:京大に入学して最初の頃新歓があって、そこにいろんなサークルの情報がまとまった冊子があったんです。その中に学生祭典のも掲載されていて、それで知ったっていうのが最初のきっかけです。

僕は出身が広島で、進学がきっかけで京都に出てきたタイプの人間なんです。せっかくいろんな大学がある環境なのでインカレのサークルに入ってみたいなと探していたんです。その時に、当時第3回の実行委員を募集していた京都学生祭典を知って、「歴史は浅いけどその割に規模は大きそうだし面白いのかな」と思って入ることを決めました。

 

実行委員1:ちなみに、3年間どの部署に所属していましたか?

 

藤田さん:1、2回生では広報部に、3回生では実行委員長を務めました。

 

実行委員1:広報部を希望した理由はありますか?

 

藤田さん:各部署の説明時に、先輩から「広報部が一番全般を見ることになるというか、全体の各部署の事を知っておかないとやれないところだから、一番幅広く学生祭典のやっている事に関われる」と聞きました。僕自身どうしても企画がやりたいとか強い意思があった訳ではなかったので、広報部の祭典のいろいろなところに関われるところに魅力を感じて選びました。

 

実行委員1:広報部内には様々な部門がありますが、どの部門に所属していましたか?

 

藤田さん:1回生の時はポスティングやローラーでいろんなお店にポスターを貼ってもらったり、チラシ配りを頑張っていて、2回生の時は主に新歓での広報部としての広報計画をリーダーとして作ったところが一番大きかったかな。当時の広報部は広報部内で部門に分かれていたわけではなかったです。

 

実行委員1:実際、新歓ではどれくらいの人数を呼べましたか?

 

藤田さん:説明会に来て、実際入ってくれた人はすごく大人数でした。150人とか、たくさん来てくれた覚えがあります。

 

実行委員1:今はSNSなどを使って勧誘が出来ますが、SNSが今ほど普及していなかった当時はどのように人を呼んだんですか?

 

藤田さん:まず、各大学ごとにおける新歓の定番をリサーチするところから始めました。

例えば京大だと、健康診断や入学式とか、みんなが部屋を移動するところに先輩たちが列を作ってチラシを全員に配るんです。大谷大だと新歓イベントがあって、そこで各団体がブース出して新入生にサークルの事を知ってもらうとか。そういう形で各大学ごとに特色があるので、それをまず調べて、そこに足を運ぶなり、学生が作っているフリーペーパーに載せてもらうなど、各大学ごとにどういうやり方で知ってもらうか作戦を組みました。

大学の数も多いし、どうしても日程が重なりやすいので、当時の祭典における学生の人数の割合が一番多い大学には優先してチラシを配りに行き、ブースを出し、踊り手たちが踊れる日があればちょっとやらせてもらったり。あの手この手ではありましたが、基本的には紙を配って、説明会の日程を知ってもらってキャンプラでの説明会に来てもらうみたいに、割とアナログなやり方がメインでした。

 

実行委員1:3回生で実行委員長をされていたということですが、なぜ実行委員長に立候補したんですか?

 

藤田さん:僕は祭典は2回生で終わろうと思っていたんですが、ある日先代の実行委員長だった田中翔さんに呼び出されて、「来年やってくれないかな」と言われたのが一番大きなきっかけでした。当時も立候補制度はありましたが、立候補というよりは、基本的には前年の執行部や実行委員長が来年はこの人にお願いしたいというのを決めて、推薦もあるというような流れだったんです。僕の場合はそういった感じで、自分からやりたいと思ったのではなくて、やってみないかと声をかけられました。

 

実行委員1:広報部時代のやり方だったり、新歓の時期のことが認められたという感じだったんですかね。本当にすごいですね。

 

藤田さん:そうですね。僕も予想していなかったし、「何でですか」と聞いた記憶があります。

 

実行委員1:広報部時代と実行委員長時代にそれぞれ印象に残っていることや楽しかったこと、嬉しかったことを教えてください。

 

藤田さん:広報部をやっていて面白かったことでいうと、特に第3回の時は顕著だったんですが、学生祭典自体は当時すごく伸びていたし規模も大きかったんですけど、前の年が台風で中止になっていたので、実績が第1回しかない状態だったんです。1年以上前に1回だけ開催されたイベントのような扱いで知名度が低かったので、1人でも多くの人にそれを知ってもらうというところがシンプルにやりがいでした。広告の仕事でいうと一番スタートである認知というところですが、活動すればするほど存在そのものを知ってもらえる状態だったので、そこがモチベーションになりました。

2回生になってくると新歓とか祭典の中での副部長的なことをやったり、ある程度ポジションみたいなものができてきて、外の人に知ってもらうというのはもちろんですが、学生たちにより“京都学生祭典”という面白い活動をしている学生団体があることを知ってもらうというような、インナーに対する祭典への愛を強めてもらう活動をやったのも面白かったです。

実行委員長になると、基本的に僕は広報部でやってきた延長線上みたいな感じで考えていたんですけど、より一層祭典のことを知ってもらおうというときに先頭に立つことが増えました。

特に大きいのは、実行委員長になってくると、学生祭典やっています、こういうお祭りが京都にありますというだけだと足りなくて、なぜそれをやりたいと思ったのか、それを通じて何を達成したいのかというような、私たちが何をやっているのかを説明するだけではなくて、何でそれをやっているのか、なぜそんなに頑張っているのかというところまで語らないといけない。リーダーである以上、ただ情報を紹介するだけで終わってしまうと誰もついてきてくれないんです。そういった、自分の中でより深いところまで祭典に対しての理念とか思いみたいな部分も伝えなきゃいけなくなったことは、新しく見つけたやりがいでした。

 

実行委員:大変だったこと、苦労したことはありますか?

 

藤田さん:広報部だった時に関して言うと、割と些細な事なんですけど、夏や本祭開催直前の時に四条河原町でうちわやビラをつけたティッシュを配った後、おばあさんにやっぱいらないって返しに来られたことがあって。地味だったんですが、そういうことがきついなーと。

僕らは知ってほしいとか、来てほしいと思って情報を発信していくんですけど、みんながみんなそうではなくて、別に行きたくないとか、配っているものに関しても邪魔だと思う人達もいる。そういう人達に対してビラを配ったりする上でこちらからは選ぶことが出来ないので、アプローチをしてコミュニケーションを取っていかないといけなかった。そういったことをどう自分の中で頑張るか、がかなり大変だった記憶があります。

第5回の実行委員長になってくると、今までは外に外に働きかけようと思っていたから余計に難しく感じたんですけど、どうメンバーに同じ方向を向いてもらうかっていうところが一番苦しくて。僕自身も実行委員長になるのは初めてだったので、今の時期はこれをどのぐらい深いところまで詰めてなきゃいけないか、どこのレベルまでできていなきゃいけないかが分からず、自分もそれを手探りしつつメンバーたちと会話しながらプロジェクトを進めていくんですが、迷うんですよね。

そうなってくるとメンバーからすると頼れない実行委員長になるし、僕としてはこういうお祭りにしていきたい、第5回はこうしてきたい、という思いを伝えているはずだけど、それがそのままメンバーにしっかり伝わっているわけではなくて。みんなが考えている企画案とかを見ても、あれ、自分と考えているものと違うな、みたいなことが起きたりして。

実行委員長になって一番苦労したのは、そういうメンバー間とのコミュニケーションと自分の思っていることをどうみんなに伝えるか、それに対してどう共鳴してもらえるか、といったことです。なんのために実行委員長がいるんだろうといったところに深く悩みながら、メンバーと向き合って毎週の会議を頑張る日々でした。

 

実行委員2:どのくらいの頻度で会議をされていたんですか?

 

藤田さん:執行部の定例会が週1回あって、さらに各部署のメンバーとの定例会をまた個別でやったりしていました。後はコンソーシアムの職員さんとの打ち合わせだったり、企画検討委員会前に企画検討委員長のところに訪問して話をしたり、各大学の学生課を訪問して学長に訪問するだとか毎日色んな人と会って話をしていました。訪問先に行くとコーヒーを出されるんですけど、1日に7杯飲むぐらい、手帳が予定であっという間にびっしり埋まっていく状態でした。

 

実行委員1:そしたら遊ぶ時間や自分の時間はなかなかとれなかったんじゃないですか?

 

藤田さん:そうですね。特に僕が3回生の時は、理系だったので実験があって、毎週月曜日が昼の1時から遅いと夜8時くらいまでずっとぶっ通しで実験をする日でした。そういう時に限って緊急の電話が来たり、プライベートの時間に遊びに行ったりなどの時間作りにはかなり苦労した記憶があります。

でも社会人になった今にして思えば、余裕はあったなと思います。ひとり暮らししてたってのもありますけど、朝8時から深夜まで打ち合わせがぶっ通しみたいなのは実行委員長を1年間やっていた中でも数えるくらいしかなかったので、午前中は特に予定はないからちょっと買い物してから行くとか、ひとり暮らしらしい日々を送っていました。

 

実行委員1:やはり現在の社会人の方が時間がとりにくいですか?

 

藤田さん:例えば僕は今結婚もして子供もいますけど、そういう育児の時間も当然必要になったり、割と時間を持っていかれることが多いので。学生時代はやりたいことを自分で決められる可処分時間が大きかったなと思います。

 

実行委員1:少し社会人になってからのお話もあったんですが、広報部時代・実行委員長時代を経て社会人になって、祭典での経験が役に立った事はありますか?

 

藤田さん:僕は学生祭典って、自分たちが頑張らない限り何も出来ないと思っていて。

例えば、皆さんが行っている授業って自分がお休みしたとしても授業は問題なく進行する。けど、学生祭典って自分たちがさぼった分だけ形にならなくなるじゃないですか。その責任を負わされている状態で、かつ自分たちでなんとか様々な問題を解決していかなければいけないっていうプレッシャーがかかった状態で、自分の頭で考えて自分で行動するっていう経験は社会に出てからもすごく大事になってくると思います。

自分たちがもう間に合わないからこの企画は無しにしようとしても、その企画を楽しみにしていた人達がいるし、その企画に参加する予定だった人達が悲しむっていう形で、人様に迷惑かけることになってしまう。なので、自分たちで責任を負う状況でやっていかないといけないっていうのは実は中々得られないチャンスなんじゃないかと思います。しかもあれだけの規模でやっていけるっていうのはすごく重要だと思います。

あとは、実行委員長を経験したからなのか余計に感じるんですが、祭典で活動していると社会人や地元の人、他の学生団体の人や同じ大学で働いている職員さんなど、いろんな立場の人と関わることがすごく増えるんです。そういった自分の普段いる世界の外側にいる人達とコミュニケーションを取ることは、純粋に自分の世界を広げてくれるんです。

どうしても自分の中の線に閉じこもりがちだったり、学生祭典に時間を取られて他に時間をかけられないみたいなことになりがちだと思うんですけど、実行委員長をやりながらいろんな立場の人達の話を聞くことができて、こういう人達が京都にいるんだと沢山学ぶことができて、自分の中でも視野っていうか多様性に関する理解みたいなものはすごく広まったような気がします。祭典やっていなかったらこんなに沢山の人と知り合えていなかっただろうから、自分の視野とか考え方は広がっていなかったんじゃないかなとは思いますね。

 

実行委員1:いろんな大学の人と知り合える機会って中々ないですもんね。

 

藤田さん:そうですね。これだけ多様な学部学科、年齢も経歴が違う人たちが集まっているっていうのは珍しいですね。

 

実行委員1:先ほど苦労していることでもお話いただいたんですが、祭典で活動する中で沢山の人とコミュニケーションを取るときに心がけていたことはありますか?

 

 

藤田:まず聞くということ。僕自身はここだ、ここ目指すんだ、さあ行こうぜというようなぐいぐい引っ張っていくタイプではなかったので、自分なりにどうみんなを引っ張っていくか考えたときにまずやったことは、聞くことです。あなたはどうしたい、あなたは何に悩んでいる、あなたは何がこの課題に対して一番効くと思うっていう風に、その人の考え方を聞くことにたくさん時間をかけるようにしました。その時に「適材適所」という言葉とか、「仕事が人を育てる」ってことが僕はすごく好きだなって思ったんです。

例えば、実行委員長をやっていた時に4月の新歓のタイミングで、JRさんとのお話の中で京都駅前広場でイベントをやらせてもらえるというのがあって。それを当時の執行部メンバーは一切入らず、新2回生にリーダーとして全部やってもらったことがあったんです。それもいずれその新2回生たちが第6回以降を作っていくんだとすれば、今の執行部が経験を積みたいのは山々だけど、あえて新2回生、ほぼ1回生の時から任せるわけです。彼らをプロジェクトリーダーにして、彼らでチーム組みをしてもらって、打席を用意して、活躍の場を用意して経験を積んでもらって。そういう経験・仕事によって彼ら自身も成長していくのではという風に思ったんですね。

なのでまず聞くことと、活躍できる場所を作ることを意識しました。組織の中にこういうポジションを作ろう、新しくこういうプロジェクトをやってみよう。それは執行部の誰かが兼任するとかではなくて、新しい人にリーダーについてもらったり、とにかく積める経験を増やすみたいなマインドでやっていました。山本五十六の戦時中の言葉で「信じて認めて任せる」という言葉があるんですけど、僕はそれがすごい好きで、特に意識していました。

 

実行委員1:今、コロナの影響で企画の数とか減ってしまって下に任せることが中々できていないなとお話を聞いて感じて、そういう機会を作るのは大事だなと思いました。

 

実行委員1:現在の実行委員に向けて何か一言いただいてもよろしいですか?

 

藤田さん:どんなことでもいいので、一人ひとりが前例のないものに取り組んでもらえるといいかなと思います。

当時僕が実行委員長になって間もない、右も左も分からない時に当時のコンソーシアムの事務局長やられていた方がフラっと祭典の事務局にやってきて、「現状維持は衰退の始まりだよ」とおっしゃったんです。「とにかく去年と同じことやろうとか、去年のやつを同じ形でやろうとか、現状維持を持った瞬間それは衰退していくことの始まりだから、それだけには気をつけないといけないよ」みたいなことを言われたんですが、社会人になった今でもそれはすごくわかります。前にやったことと同じことをやろうと思った瞬間、絶対に落ちていくんですよね。それはどんなに綺麗な写真でも何回もコピーを取り続けていたら、どんどんかすれていくのと同じ。

なので、できる限り今までやられていないこと、誰もやったことのないものっていうものを一つでもいいから入れていかないと、絶対現状維持になって結局それは衰退が始まるってことなんです。なので現役の皆さんにお伝えするとしたら、進化させようとか前に進めようとかもっといいものをって抽象的なことではなく、何か一つでいいからやったことないことをやる。それでいいんじゃないかと思いますね。それが100人以上いる実行委員が一つずつやるだけで相当すごい変化が生まれると思うので、せっかく学生で若いし、失敗したとしてもクビになるわけではないので前例がないからといってビビったりせずチャレンジしたらいいんじゃないかなと思います。

 

実行委員1:チャレンジする時とか、怖いと思って躊躇うことが多いんですけど、新しいことに挑戦していきたいと思います。

 

実行委員1:最後に祭典の1番の魅力を教えてください。

 

藤田さん:僕が祭典のすごくいいなと思っているところは、いつまで経っても完成しないところです。永遠に未完成なところというか、完成しないってことはつまりポテンシャルがあるっていうことだと思うので、いつまで経っても未完成でいる。もっともっと良くできる余地がある。毎回毎回違う取り組みが生まれては消えていく、そういうところが祭典のすごくいいところなんじゃないかなと思っています。

どうしても回数重ねていくと、この企画は基本的にやるよね、とつい前例的な感じで決まりがちだと思うんですけど、京都の長い歴史の中ではたかだか19年だったりするわけなので、そこは変に縛られすぎず自分たちのお祭りは未完成だからいいんだくらい振り切って新しいことやってみようか、とか結構実験的だけどこういうことやってみたらどうなるんだろうね、とかいうようなマインドを持てるといいかな。そういう考えが似合うお祭りじゃないかなと思います。

 

実行委員1:ありがとうございました。

(左:祭典時代のお写真/右:現在のお写真)

*—————————–*

藤田卓也(ふじたく)さん

京都大学卒業

第3回:広報部所属

第4回:広報部所属

第5回:実行委員長

 

今回インタビューしたのは第3回〜第5回で活躍し、実行委員長も務めた藤田卓也(ふじたく)さんでした!

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2021年10月10日(日)開催!

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